セレックとは
セレックとは、デンツプライシロナ社が取扱っている歯科用CAD/CAM装置です。コンピューター上で被せ物や詰め物を設計し、ミリングマシンによって素材の加工を行います。
セレックで加工できる材料
セレックで加工できる材料には以下のようなものがあります。
- 長石系セラミック
- ジルコニア
- ハイブリッドレジン
- PMMA
- 二ケイ酸リチウムガラスセラミックス
セレックによる治療の流れ

- 光学カメラで撮影して歯型を採取
- コンピュータで被せ物を設計
- ミリングマシンで材料を加工して被せ物等を製作
- ジルコニアやIPS e.max キャド等の焼成作業が必要な材料の場合、焼成作業を行います
当院で使用している材料
セラスマート
GC社が取扱っているハイブリットレジン材料です。保険治療のCAD/CAM冠やCAD/CAMインレーに使用しています。
カタナ® ジルコニア

クラレノリタケ社が取扱っているジルコニア材料です。曲げ強さが763MPaあるので、ブリッジ治療にも利用することが出来ます。ミリングマシンでの加工後、ファーネスによる焼成作業が必要となります。
カタナ® ジルコニア ONE

上記のカタナ® ジルコニアの後継品です。クラレノリタケ社が取扱っています。曲げ強さが933Mpaあり、強度が向上しています。
ZirCAD MT Multi

イボクラール・ビバデント社が取り扱っているジルコニア材料です。4Y TZPと5Y-TZPの2種類のジルコニア材料を組み合せることで強度と審美性の両立を図っています。曲げ強さが850Mpaあるので、ブリッジ治療にも利用可能です。加工後、ファーネスによる焼成作業が必要となります。
IPS e.max キャド

イボクラール・ビバデント社が取扱っている二ケイ酸リチウムガラスセラミックス素材です。曲げ強さが530MPaあり、ジルコニアには劣りますが強度が高いセラミック素材となります。ミリングマシンでの加工後、ファーネスによる焼成作業が必要となります。(焼成すれば歯の色になります。)透明感が有り審美的に優位な材料のため、前歯など目立つ部位の治療に向いています。
セレックブロック

デンツプライシロナ社が取扱っている、長石系セラミック材料です。30年以上臨床利用されてきた実績があります。曲げ強さは150MPa程度で、ジルコニアや二ケイ酸リチウムガラス等の強化型セラミック材料に比べると強度は弱いです
CERECガイドブロック

インプラントのサージカルガイドをミリングマシンで製作する際に使用します。3Dプリンターで製作する場合と比較して、重合収縮による誤差がない分、寸法安定性に優れています。
よくある質問
- Qセレックは保険治療でも利用できますか?
- A
ハイブリッドレジン等、厚生労働省の認可を受けた材料であれば、保険治療でも利用できます。当院では保険治療にはGC社が取扱っているセラスマートを主に使用しています。
- Q保険外の材料は長持ちしますか
- A
口腔内環境や歯ぎしりの有無など、個別的な影響をかなり受けますので、かならず長持ちするとは断言できません。とくに長石系セラミックは脆弱材料となるので、異常な咬合力がかかる部位等に使用すると破折のリスクがあります。セラミック材料はプラーク等の汚れが付きにくいので、そういう点では有利です。
- Qブリッジ治療の即日治療はできますか
- A
現在は行っておりません。一時期はジルコニア・ブリッジに関して、午前中に型採りをして午後に装着するという即日治療をしていたのですが、院内技工士の休憩時間を圧迫して不評だったので止めました。型採りをした翌日以降の装着であれば、現在もお受けしています(ジルコニア・ブリッジのみ。保険の金属材料は鋳造作業が必要なため製作に中6日程度かかります)