入れ歯の修理 金属部分が破損した場合

金属は強度がありますが、経年的に金属疲労を起こして破折することがあります。今回は、入れ歯の金属部分が破損した場合の対処方法や修理についてご説明します。

入れ歯の金属部分が破損した場合、以下の選択肢があります。

  1. 新しい入れ歯を作る
  2. 破損した部分だけを新しい金属装置と交換する。

使い慣れた入れ歯を修理して使い続けたい場合、上記2の金属装置の交換を行うことを考えます。

以下のような要素を考慮して修理を行えるかどうか判断します

修理ができるかどうかの判断材料

破損したパーツ部分だけをうまく外せるか

破損した金属部分が他の金属パーツと分離している場合は、破損した装置だけを除去できるので、修理を行える可能性が高いです。(下図参照。青い部分が金属です。)

大連結子とクラスプが分離している

金属装置同士が連結されて分離していない場合は、破損した金属装置だけを除去するのが難しく、修理ができない場合があります。(下図参照。青い部分が金属です。)

大連結子とクラスプが連結されている
大連結子とクラスプが連結されている

修理方法

修理は主に以下のような流れで行います。

  1. 歯の型取りをして模型を作り、模型上で新しい金属装置を製作します。
  2. ピンクの床部分を削り、埋め込んである金属装置を取り出します。
  3. 新しく作った金属装置を埋め込みます。

新しい金属装置の製作

模型上で、交換用の新しい金属装置を製作します。

ピンクの床部分の削合

破損した金属装置を取り出すため、ピンク色の床部分を削合します。

新しい金属装置の埋込

新しい金属装置の適合を確認した後、即時重合レジンにて義歯に接着させます。この際、位置がずれないように口腔内にて接着を行います。

来院回数、治療期間

来院回数は2回、治療期間は1週間程度です。

1回目に型採りを行い、1週間後以降に2回目の処置を行います。(新しい金属装置の製作のために1週間程度時間がかかります。)

2回目の来院時に破損した金属装置除去と新しい金属装置の埋め込みを行います。

この記事を書いた人
八島 愛富

八島歯科クリニック 院長

歯科医師
広島県歯科医師会・会員
広島市介護認定審査委員経験者(1999年~2003年在籍)
臨床研修指導歯科医
広島デンタルアカデミー専門学校 講師
ケアマネージャー資格保持者
広島県がん診療連携登録歯科医

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