歯茎の腫れる原因と対処法

歯茎が腫れることは、多くの人が経験する口腔内の問題の一つです。腫れの原因や対処法を知ることで、早期に適切な治療を受けることができます。

歯茎が腫れる主な原因

歯周病

歯周病の進行度分類

歯周病は、歯垢や歯石が溜まり、歯茎に炎症を引き起こすことで発生します。基本的には無症状で進行しますが、炎症が急性化して歯茎の腫れや痛み等の症状を生じることがあります。

根尖性歯周炎

歯肉膿瘍

歯髄にまで及ぶ深い虫歯が原因で、歯茎が腫れることがあります。

また、神経を取った後の歯が再度細菌感染を起こすことで、根尖性歯周炎を再発することもあります。

歯根破折

事故による外傷・歯ぎしり・食いしばり等によって、歯根破折が起こると歯茎が腫れることがあります。

智歯周囲炎

智歯周囲炎のイラスト

親知らずが正しく生えず清掃性が悪い場合、歯茎の中で細菌が繁殖して炎症を起こし、親知らず周囲の歯茎が腫れて痛みが出ることがあります。

妊娠性歯肉炎

妊娠に伴って女性ホルモンのバランスが変化することで、妊娠性歯肉炎が発症することがあります。

爪楊枝等によって歯茎を傷つけた

爪楊枝等で誤って歯茎を傷つけた場合、それが原因で炎症が生じて歯茎が腫れることがあります。

歯茎の腫れに対する治療法

まずは検査を行って原因を特定し、それに応じた治療を行います。

歯周病治療

まずは抗菌薬等による消炎処置を行います。その後、歯石や感染セメント質等の病的因子を取り除く歯周基本治療を行っていきます。

根管治療

根尖性歯周炎を起こしている場合、根管治療を行って根尖部の感染源を除去する必要があります。

智歯周囲炎の消炎処置・親知らずの抜歯

まずは抗菌薬等による消炎処置を行います。その後、必要であれば再発防止のために親知らずの抜歯を行うこともあります。

生活習慣指導

ストレスが原因となっている場合は、十分な睡眠時間の確保等、生活習慣の改善指導を行います。

爪楊枝等によって生じた傷

必要に応じて抗菌薬や痛み止めの処方等を行います。

歯茎の腫れに対して、自分でできる応急処置

すぐに受診できない場合、以下のような方法で腫れや痛みの軽減をすることが出来ます。ただし、あくまでも応急処置ですので、その後必ず歯科医院を受診するようにしましょう。

適度な冷却

腫れている部分を冷やすことで、症状を軽減することが出来ます。

保冷剤等をタオルで包んだものを頬の外側から当てるようしましょう。

休息・休眠

ストレスの蓄積は免疫能力の低下を引き起こし、歯茎の腫れ等のトラブルを起こす要因となります。適度な休息、十分な睡眠時間の確保を行ってみましょう。

市販の痛み止めの服用

解熱性鎮痛剤を服用することにより、痛みや炎症を和らげることが出来ます。

丁寧な口腔内清掃

歯茎に汚れが溜まったままでいると、炎症が生じて歯茎の腫れや痛みが生じやすくなります。痛みが気になる場合は柔らかめの歯ブラシを使用して、患部をあまり刺激しないように注意しましょう。

洗口液の使用

歯ブラシの仕様が難しい場合、洗口液を使用することで口腔内を清潔にすることが出来ます。アルコール系の物は刺激性が有り痛みを想起する可能性がありますので、低刺激のノンアルコール系の物を使用するようにしましょう。

この記事を書いた人
八島 愛富

八島歯科クリニック 院長

歯科医師
広島県歯科医師会・会員
広島市介護認定審査委員経験者(1999年~2003年在籍)
臨床研修指導歯科医
広島デンタルアカデミー専門学校 講師
ケアマネージャー資格保持者
広島県がん診療連携登録歯科医

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