顎関節人工関節全置換術について

顎関節人工関節全置換術の厚生労働省の資料

顎関節人工関節全置換術とは、令和2年度診療報酬改定で新規に保険収載された治療です。

本記事では、顎関節人工関節全置換術について、対象症例等をガイドライン等を参照してまとめていきます。

顎関節人工関節全置換術とは

顎関節人工関節全置換術とは、顎関節強直症、進行性の下顎頭吸収、顎関節腫瘍などによって顎関節の機能が著しく障害された場合に、顎関節の機能回復を目指して人工材料で関節全体を置き換える手術です。

これにより、開口障害や痛みの改善を図ります。 

令和2年度診療報酬改定で、顎関節人工関節全置換術が保険収載

令和2年度診療報酬改定で、顎関節人工関節全置換術が保険収載されました。

これにより、施設基準を届出ている医療機関で、顎関節人工関節全置換術が保険治療で行えるようになりました。

顎関節人工関節全置換術の厚生労働省の資料
引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000604400.pdf

対象疾患・適応症

対象疾患は、以下の条件Aと条件Bの両方を満たす場合です。

(条件A)下記の疾患あるいは病態により下顎頭欠損を伴う症例

  • 顎関節強直症(関節突起の切除が必要な場合)
  • 病態の進行した変形性顎関節症
  • 重篤な顎関節炎あるいはその既往(リウマチ性顎関節炎、化膿性、乾癬性顎関節炎など)
  • 高度の進行性(特発性)下顎頭吸収
  • 先天性疾患
  • 外傷後の下顎頭欠損
  • 腫瘍切除を含む手術後の下顎頭欠損
  • 度重なる無効な手術歴
  • 人工関節(材料)による再建手術後の経過不良例
  • 肋軟骨移植後の経過不良例

(条件B)上記疾患・病態でかつ下記の主要基準のいずれかを満たすこと

  • 咬合異常があり、日常の摂食、咀嚼が困難な症例(例;五分粥軟菜食でも食事困難)
  • 35 ㎜未満の開口障害

(引用元:顎関節人工関節全置換術の適正臨床指針

広島で行っている医療機関

2025年11月現在、広島で(歯顎人工)の施設基準を届出ているのは、広島大学病院のみです。

一般の診療所等では行えないので、対象の方は広島大学病院に紹介することになります。

広島大学病院口腔顎顔面再建外科が顎関節の外科処置を行っています。

参考文献

顎関節人工関節全置換術の適正臨床指針

令和2年度診療報酬改定の資料

顎関節人工関節全置換術の術式 −ステップ解説−

顎関節人工関節全置換術の適応と有用性

この記事を書いた人
八島 愛富

八島歯科クリニック 院長

歯科医師
広島県歯科医師会・会員
広島市介護認定審査委員経験者(1999年~2003年在籍)
臨床研修指導歯科医
広島デンタルアカデミー専門学校 講師
ケアマネージャー資格保持者
広島県がん診療連携登録歯科医

その他