妊娠中のレントゲン撮影|赤ちゃんへの影響について

レントゲン写真

放射線は目に見えないため、どういったものか想像がしづらく、なんとなく怖いイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?

レントゲンに対する正しい知識を身につけて、ご自身で納得して治療を受けられるようになりましょう

歯科で使うレントゲンの被曝量はごく僅か

歯科用CTの被曝量が0.1mSv程度

お口全体を写すパントモ撮影の被曝量が0.03mSv程度

3~4歯を写すデンタル撮影の被曝量が0.01mSv程度です。

東京~ニューヨーク間を飛行機で往復した場合の被曝量が0.2mSvであり、それと比べても少ないことが判ります。

妊娠中の放射線被曝の赤ちゃんへの影響

日本産科婦人科学会が妊娠中の放射線被曝の赤ちゃんへの影響について、「産婦人科診療ガイドライン2017」にて解説しています

胎児への影響は妊娠時期により異なる。

受精後10日までの被曝では、奇形発生率の上昇はない。

受精後11日~妊娠10週では、50mSv未満の被曝では奇形発生率を上昇させない。

妊娠10週以降は「器官形成期」が終了しているため、奇形の可能性はない。

妊娠9~26週では中枢神経障害を起こす可能性があるが、100mSv未満では影響しない。

歯科で最も被ばく量の多い歯科用CTの被爆量が0.1mSvです。

妊娠期間中に500回以上のCT撮影を行うと母体の被爆量が50mSvに到達します。

しかし妊娠期間中に500回もCT撮影を行うことは実際にはあり得ません。

被曝するのは首から上の部分だけ

歯科で撮影する範囲は首から上の部分です。

このため実際に被曝するのは首から上の部分だけです。

胴体部分は防護エプロンを着用した状態でレントゲン撮影を行うため、赤ちゃんへの被爆はほとんどありません。

総括

歯科で使用するレントゲンの被爆量はごくわずかです

また、歯科で撮影する範囲は首から上の部分です。

胴体部分は防護エプロンにて防護するため、赤ちゃんへの被曝はほとんどありません。

どうしても不安な方は、担当の先生とよく相談して納得された方法を選択されてください。

参考文献

産婦人科診療ガイドライン―産科編2017

この記事を書いた人
八島 愛富

八島歯科クリニック 院長

歯科医師
広島県歯科医師会・会員
広島市介護認定審査委員経験者(1999年~2003年在籍)
臨床研修指導歯科医
広島デンタルアカデミー専門学校 講師
ケアマネージャー資格保持者
広島県がん診療連携登録歯科医

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