舌にも扁桃腺があります。舌の奥のぶつぶつしたもの

舌扁桃 その他

堀ちえみさんが舌がんに罹患しているとニュースで公表されてから、心配になって鏡で自分の口の中を確認した人も多いと思います。

鏡で確認して舌にブツブツした出来物のようなものを見つけてしまうと心配になりますよね。

今回は、舌の病気と勘違いされやすい舌扁桃について解説していきます。

舌扁桃とは

舌扁桃とは、一言で言うと免疫を司るリンパ組織です。

舌の後ろ側1/3の表面は、舌の前側と比べると凸凹した感じをしています。

これは上皮の下にリンパ組織が存在するからであり、このリンパ組織を舌扁桃と言います。

舌扁桃は舌背部に多く存在しますが、舌縁の後方にも存在します。

ぱっとみてぶつぶつした出来物が出来ているように見え、触るとざらっとして少し硬い感じがするため、何かの病気ではないかと心配する方が少なくありません。

しかし舌扁桃は正常の構造物なので、心配する必要はありません。

舌扁桃は、口蓋扁桃などと共にワルダイエルの咽頭輪を形成しており、局所免疫を担当して体の役に立っています

ワルダイエルの咽頭輪とは

ワルダイエルの咽頭輪とは、口と喉の境目にある多数の扁桃腺で構成される輪状構成物のことです。

口蓋扁桃、舌扁桃、咽頭扁桃、咽頭後壁のリンパ節、耳管扁桃などで構成されています。

生体防御の最初の砦となる部位であり、口腔や鼻腔から侵入してきた病原体は、まずこの咽頭輪によって排除されます。

身体を病原菌から守る免疫機構の最前線の為、口や鼻からの感染に際して炎症を起こして腫れやすいという特徴があります。

舌扁桃が原因で起こる自覚症状

舌扁桃自体は正常構造物なので、通常はこれが原因で何かの症状を起こすことはありません。

しかし、慢性の炎症が常に存在する場合は、舌扁桃が肥大したり、膿瘍を形成することがあります。

舌扁桃肥大や舌扁桃膿瘍を形成すると、咽頭の異常感覚が生じることがあります。

舌扁桃膿瘍

舌扁桃が膿瘍を形成している場合、周囲の粘膜より白い色調の結節として観察されます。

炎症が起きている状態の為、 咽頭部の異物感や痛みを感じることがあります。

対処法

細菌性の急性化膿性炎を起こしている状態の為、まずは抗菌薬の投与を行って消炎処置を行います。

舌扁桃肥大

舌扁桃肥大とは、舌縁後方部に存在する舌扁桃が何らかの刺激によって肥大した状態のことです。

肥大した舌扁桃は咽頭部の異物感や痛みとして自覚されることがあります。

対処法

舌扁桃を刺激している原因を診断し、それを除去することが対処法となります。

鼻疾患が原因の場合

舌扁桃が反応性に肥大するのは、慢性の鼻疾患が原因となることが多いです。

その場合は耳鼻科にて鼻疾患の有無の診察並びに治療を行うことが必要となります。

歯や入れ歯が原因の場合

歯や入れ歯などによる機械的刺激が原因の場合は、歯科での対応となります。

舌扁桃と接触する鋭縁部を研磨して刺激を与えにくい形態に修正するなどの処置を行います。

まとめ

舌扁桃は、ぱっとみてぶつぶつした出来物が出来ているように見えるため、何かの病気ではないかと心配される方が少なくありません。

しかし、舌扁桃は正常な構造物なので、心配する必要はありません。

身体を病原菌から守る免疫機構の最前線であり、口腔や鼻腔から侵入してきた病原体を排除する働きを持つ重要な構造物です。

口や鼻からの感染に際して炎症を起こして腫れることがありますので、その場合は歯科や耳鼻科で早めに診察をしてもらいましょう。

参考文献

日本耳鼻咽喉科学会|のどの病気Q&A|扁桃肥大

この記事を書いた人
八島 愛富

八島歯科クリニック 院長

歯科医師
広島県歯科医師会・会員
広島市介護認定審査委員経験者(1999年~2003年在籍)
臨床研修指導歯科医
広島デンタルアカデミー専門学校 講師
ケアマネージャー資格保持者
広島県がん診療連携登録歯科医

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