保険適用の被せ物といえば金属の銀歯を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、近年ではCAD/CAM冠という白い被せ物が保険治療で使用できるようになっています。
CAD/CAM冠は、機械加工で製作する歯の被せ物
CAD/CAM冠とは、コンピューター上で歯の被せ物を設計し、設計データを元にミリングマシンで機械加工をして製作する歯の被せ物です。

2014年に保険収載された当初は小臼歯のみの適応でしたが、その後段階的に適応範囲が広がっていきました。
2020年4月より、上顎第1大臼歯にもCAD/CAM冠が適応拡大
2024年6月には、条件付きで第2大臼歯にもCAD/CAM冠が適応拡大
と、段階的に適応範囲が広がってきています。
また、2023年12月にPEEK冠という、従来のハイブリッドレジンとは別の材料のCAD/CAM冠も保険収載されました。PEEK冠は、大臼歯の単冠のみの適応ですが、咬合支持の条件無しで保険適用となります。(単冠のみでインレーやブリッジは不可。)
CAD/CAM冠の材料は、大別すると2種類あります
保険適用のCAD/CAM冠の材料は、大別すると以下の2種類があります。
- ハイブリッドレジン
- PEEK
ハイブリッドレジンは、レジン(樹脂)にセラミックの粉末を混ぜて作った材料です。セラミックほどではありませんが歯に近い色となるので、銀歯に比べて自然な見た目になります。
PEEKはスーパーエンプラの一種で、強い力が加わっても破折しにくい材料です。透明感がなく見た目はハイブリッドレジンほど良く有りませんが、強い力が加わる部位にも使用できます。
CAD/CAM冠の適応範囲
2025年度時点で、CAD/CAM冠の適応範囲は以下のようになります。
ハイブリッドレジンの場合
ハイブリッドレジンのCAD/CAM冠の適応条件は、以下のとおりです。
- 前歯部・小臼歯部は条件無しで適用可能
- 大臼歯部に関しては、以下の条件を満たせば適用可能

ただし、金属アレルギーの診断がある場合やエンドクラウンの場合は、上記の条件無しで大臼歯部のCAD/CAM冠が製作可能です。

PEEKの場合
PEEK冠は、大臼歯の単冠であれば条件無しで適用可能です。(単冠のみでインレーやブリッジは不可。)
CAD/CAM冠はどこの歯医者でも出来るの?
CAD/CAM冠は、全ての歯科医院で出来るわけでは有りません。厚生局に「CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレー」の施設基準の届出をしている歯科医院でのみ行うことが出来ます。
八島歯科クリニックでは施設基準を届出ていますので、CAD/CAM冠やCAD/CAMインレー治療に対応しております。
CAD/CAM冠のQ&A
- QCAD/CAM冠は長持ちしますか?
- A
口腔内環境や歯ぎしりの有無など、個別的な影響をかなり受けますので、かならず長持ちするとは断言できません。特にハイブリッドレジンの場合、異常な咬合力がかかる部位等に使用すると破折のリスクがあります。
- QCAD/CAM冠は黄ばみますか?
- A
CAD/CAM冠は、素材にプラスチック(レジン)が含まれているため、経年劣化によって変色・着色する可能性があります。変色・着色に対する耐性を求めるのであれば、ジルコニアや二ケイ酸リチウム等のセラミック系の材料が優れています。
参考資料
学会のガイドライン(PEEK 冠に関する基本的な考え方(第 1 報))|公益社団法人日本補綴歯科学会



